この本ど~なの? 英語学習本探索&書評 植田一三著 『英検1級100時間大特訓』



植田一三著、『英検1級100時間大特訓』、ベレ出版、2012年



さて今回も、植田先生の著作を取り上げてみたいと思います。


最近出版されたばかりの本ですが、売れ行きの方もかなり良さそうですね。


なんといっても、英検1級を取得するために一次・二次試験全般にわたって非常にクオリティの高いアドバイス満載であるのみならず、英検1級取得後のヴィジョンをいかに構築していくかという点にまで十分な目配りがしてあるという点で、1級合格者にとってもまだの方にとっても非常にチャレンジングな一冊になりうるのではないかと思います。


非常に印象的で面白かったのが、「第1章 概論 英検1級に合格するための極意」に登場してくる「英検1級学習者5類型」。


「英語一筋高校英語教師型」

「スーパーインテリジェントサイエンティスト・ドクター型」

「猛烈オフィスワーカー型」

「帰国チャレンジ型」

「根性ハウスワイフ型」


という具合に、植田先生の観察によると1級以上を目指している学習者は、大別して5つのグループに分類されるそうです。


はたして読者の皆さまや私などはどのグループに分類されることになるのでしょうか(笑)


受験者の属性はさておき、この本はこれから欧米、特に英語圏留学を考えていてTOEFLやGRE、IELTSの受験を準備されている方々にとっても非常に役に立つ本なのではないかと思います。購入して損することはまずないでしょう。


それぞれのテストはTOEICなどと比べると非常にクセのある、難易度が高い読解問題が出題されますが、そうしたレベルの問題群を捌いていく技術も開陳されており、読解セクションに限らず、語彙(特にphrasal verbs)・リスニングといったセクションのトレーニングにおいても、渡米後・渡英後、あるいは渡豪後にも役立つ"study skills"を身につける一環となる内容だと思います。


ただ、惜しむらくはライティング・スピーキングの内容ですね。これは日本語ベースの書籍というメディアの限界というか、制約の犠牲となっている印象です。


誤解を恐れずに述べさせていただくと、この2セクションについては植田先生のお書きになられた『発信型英語スーパーライティング』とも共通する弱点だと思います。


もちろん、ライティング・スピーキングに取り組む基本的な姿勢や原理原則などの説明は非常に簡潔かつ明白で、チャンク化された語句も豊富な例文とともに、読者に非常に有用な文章サンプルを提示してくれます。


しかし、肝心のエッセイやスピーチのサンプル数が圧倒的に少なく、詳細なメカニズムについての解説も少ないところがやや残念に思われます。


ただ、これはエッセイライティングやスピーチに対する準備学習についての見解の相違、単なる考え方の違いかもしれませんが。本番で役に立つ表現の「武器庫」としては非常に強力なラインナップとなってくれること請け合いです。


1級バージョンの本書の次には、今後準1級ヴァージョンの『100時間大特訓』も出版されるとのこと。


全国の植田ファンにとっては、"Let's enjoy the process!"の嵐が吹き荒れる2012年の夏となりそうですね。

Topic : 英語・英会話学習 - Genre : School

この本ど~なの? 英語本書評

英語の資格試験はそれぞれ「クセ」がありますが、もし読者の方が十分な英語力をお持ちでも「なかなか1級の二次試験に通らないな」とお悩みでしたら、その問題は英語力とは違うところに原因がある可能性がありますよね。

今回取り上げるのは英語の本とはあまり関係がないのですが、二次試験の問題意識が見ているところと非常によく重なっている分野です。

ですので、実のところはスピーチやライティングのテスト全般と、密接な関わりを持っている分野の本と言えるのではないでしょうか。

それは国際情勢や、日本国内の社会情勢、一般常識といった部分への目配りの必要性があるという部分です。

英検1級の二次試験もそうですが、ビジネス英語の仕事に関連したコミュニケーションでも、今の世界の動きと無関係に英語で会話だけしていればいいというわけでもありませんよね。

会話ができて、コミュニケーションができて、というのは当たり前の部分ですが、その先には自分自身の知見そのものが問われる段階になります。ここで自分自身の見解がないと、そこでコミュニケーションは拡がりが止まってしまいます。

社会情勢等に限らず、広く深い教養を備えている人との会話は刺激に満ちていてとてもインスパイアリングです。西洋文化・東洋文化の古典を含めた広い教養を持ち、自国文化にも造詣が深くなければ。。。

これは忙しい現代人にとっては非常に要求水準が高いものかもしれませんが、そんなことを上手くかみ砕いて、小学生にも分かりやすいように説明してくれる方がいます。



池上彰著、『池上彰の「ニュース、そこからですか!?」』、文春新書、2012年


……⇒ 〔My評価〕☆☆☆☆☆☆☆☆☆★



高い英語力を持つ方でもしこういった分野での情報が疎いのであれば、池上さんの著作全般を吸収してみるのが、二次試験でのとっさの事例力や反論処理能力を高める上での近道のひとつなのではないかと思います。

Euro Crisis、Arab Spring、そして中国・北朝鮮の問題点や、日本の政治・経済の問題点を今日的な視点でかみ砕いて簡単明瞭に解説してくれる本です。

もし自分の専門分野やお仕事と関連しているような、あるいは自分の得意なジャンルを作りたければ、こういった新書的な情報からさらに興味を引いたものにはウェブや専門書籍など当たってさらに分け入っていけばいいですよね。

ニュースの水先案内人として、池上氏の力量がいかんなく発揮されている内容で、英検1級二次試験や実学的な試験に限らず、日常の問題意識を鋭くしていく上でも手助けとなる本だと思います。

さらに言えば、この本の内容がすべて英訳されていればいいのですが(笑)

その分差し引いて☆×9となっております。

ただ、今はWikipediaなどもあります。その気になればいくらでも自分でも簡単リサーチできますので、あとは"self help"で、というところでしょうか。



※My評価:最低点は星なし~最高点は☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(☆×10)



Topic : 英語・英会話学習 - Genre : School

この本ど~なの? 英語本書評

書評コーナーとして、和書、洋書を問わずに、気になった英語学習書籍を取り上げてみたいと思います。

あくまで独断と偏見に基づいたものですので、直接的な評価はご自身で手に取られてご覧になってからお願いいたします。

My評価ですが、最低点の星なし~最高点の☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(☆×10)まで、という10段階評価になります。

スピーチやライティングの基盤となる語彙や文法は、やはり基本としてしっかりと力をつけておくことが必要なのは言うまでもありません。

書店に行けば、どれがどれだか全く分からないほどの英語本がわんさか並んでいます。どの本もよく考えられて作られたものばかりなのでしょうが、ちょっと種類がたくさんありすぎて困ってしまいます・・・

というわけで、最初に取り上げる本は、"Let's enjoy the process! Thank you!"の、あのお方の本からです。




植田一三編著、上田敏子、長谷川幸男、山中敏彦著、『スーパーレベルパーフェクト英文法』、ベレ出版、2011年


……⇒ 〔My評価〕☆☆☆☆☆☆☆☆★★



2011年の7月という、比較的最近出た英文法の本ですが、編著者は有名な「Ichy Ueda」先生です。編著者の学校アクエアリーズの先生方もメインとなって執筆されているようですが、この本は日本語で書かれた英文法解説としては、新しい知見も十分に咀嚼して読者に分かりやすいように導入しているという点で、私は非常に良い本だと思います。

380ページという内容ですが、1日で一気に読みとおせるぐらいで、諸々の問題点がスッキリと日本語で理解できるという意味では非常に稀有な内容でしょう。英語で英文法を理解するのと非常に近い感覚の和書が出てきた、という価値は非常に大きいと思います。

ある程度英語の下地ができている向きには大変おススメですね。しかし、この本を一見してあまり興味が湧かなかったり、ピンとくるところがあまりないように感じられる方であれば、しばらく放っておいて、別の学習書籍を当たってみるほうが、上達の近道かもしれません。

冠詞や助動詞のセクションなどでは既習知識がブラッシュアップできて新しい展望が得られるでしょうし、どの章を読んでも、お持ちの英文法知識にスッキリした眺望が得られることはうけあいです。

今回☆×8の評価にさせていただきましたが、昨今の洋書の文法書には付属の音声CDや豊富な練習問題がついていたりしますので、そのあたりと比較しての評価という形です。この本のライバルはもはや国内にはなく、洋書と直接競合するレベルにきているということだと思いますね。

まるで日本車メーカーの高級車開発競争を見るような感じです。





※My評価:最低点は星なし~最高点は☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



Topic : 英語・英会話学習 - Genre : School

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